KYOSUKE-YAMATABI〜山旅

日本の山を旅するブログ〜登山、温泉、車中泊

北アルプス登山記 日本最大の峡谷、黒部峡谷下ノ廊下を歩く山旅(2)

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2日目、まだ夜が明ける前に起床。他の登山者のほとんども出発の準備をしています。下ノ廊下登山で、大切なのはできるだけ早く阿曽原温泉を出発して、欅平または黒部ダムに到着すること。なぜかと言うと、どちらもゴールから交通機関トロッコ列車トロリーバスなど)を利用しないと帰路に着けないというロケーションにあるからです。僕達は欅平に下山するわけですが、欅平からのトロッコ列車の場合、紅葉🍁の季節という言うこともあり、予約で埋まってしまい列車に乗車しにくいと言う問題があります。欅平を始発で発車する便のみが乗車しやすいとのこと。可能な限り早く欅平に到着するべく登山をスタートしなくてはなりません。

今日は阿曽原温泉から欅平に向かって水平歩道という、垂直の岩盤を掘って付けられた歩道を歩きます。文字のごとくアップダウンのない、ほぼ水平の道ですが、足元は昨日の下の廊下より深く切れ落ちていて、一歩踏み外せば谷底に一直線の気の抜けない道となっています。道中、黒部の大峡谷の絶景が待っていると言うことで慎重の中にもワクワクしている自分がいます。歩き始め、ふと後ろを振り返ると、宿泊した阿曽原温泉小屋が♨️凄いところに建っているんだな〜実感します。

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しばらく水平歩道を歩いて行くと、前方が開けてきました。と言うか、右側に途方もない空間が広かっている・・・❗️距離感が麻痺してくる感覚。谷底まで数百メートル・・500メートルは楽にあると思います。凄い❗️冷静に考えて、東京スカイツリーのテッペンを歩いているようなもの。それも柵もなく、道幅は1メートル未満。左側にある針金を持っているだけ❗️いやいや凄いところにいますよ。下を見ると谷底は見えない程高いです。落ちたら・・なんて変な想像はやめておきます❗️「凄いな〜」と連発しながら黙々と歩いていると、不思議ですね。高さの恐怖には慣れてしまいました。慣れって凄い❗️そしてこの水平歩道の最大の見せ場、「大太鼓」に到着。垂直というかオーバーハング?している岸壁をコの字にくり抜いた道を通ります。足元は垂直に真っ逆さま、うん百メートルの高さ❗️凄い高度感を感じます。本当にこんな場所に人の手で道を作ったということが驚きですよね。それも戦前に手掘りで・・人間の力は凄いというほかありません。

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大太鼓を過ぎても延々と続く断崖絶壁に作られた道を歩きます。もう慣れを通り越して、なんか辛くなってきた😭全長30kmに及ぶ長い道のりもあと少し。最後は気力で歩いていきます。折尾谷、志合谷に作られた狭く、真っ暗な素掘りトンネルを通り、時に頭上より水を浴びるなどしながら欅平を目指します。ふと上を見上げると白く雪に覆われた山が・・方角的に白馬など後立山連峰の山々です。あ、そうか😲昨日の夕方の雨☂️は標高の高い場所では雪❄️だったのか?季節はもう冬に近づいているのですね。黒部峡谷の短い秋はもう終わろうとしているのです。

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送電線など人工物が見え始め、登山道は水平歩道から一気に標高を下げて行くといよいよゴールの欅平です。長かったな〜だけど達成感が半端ないな〜辛い道だったけど、不思議と「また絶対歩きたい❗️」強い気持ちが自分の中の湧き上がってきました。絶対再訪です❗️欅平駅前の広場に突然飛び出して今回の山旅は終了しました。あっけないけどゴールはいつもこんなものです。友人達と心の底から「お疲れ様」と固く握手を交わしました。素晴らしい山旅のゴールです。

みんなの頑張りもあり、余裕を持って始発のトロッコ列車に間に合うことができました。阿曽原温泉を出発をして5時間あまり。スタートの黒部ダムから30kmを歩くことができました。どっと疲れましたが、達成感もまたいつも以上です。友人と記念撮影の後にコーラで乾杯🍻暖かい蕎麦の美味しいこと😆出汁の塩分が染み渡ります。疲れている証拠か?

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欅平始発のトロッコ列車宇奈月温泉を目指します。山旅の最後は趣のあるトロッコ列車🚃で。黒部の電源開発のために作られ、今も現役で観光、発電所の運営のために活躍しています。狭いトンネルを凄い音を立てて走る列車。子どもとか大好きだろうな〜😁やや鉄道オタク気味の僕も興奮を抑えられません。楽しいですね。

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日本最大の黒部峡谷を歩く山旅は終わりました。1年のうち、本当に短い期間しか歩けない下ノ廊下を歩くことは、多くの登山者の憧れです。そんな貴重な道を歩けたこと。非常に素晴らしい経験でした。ここでしか見れない絶景が満載のエキサイティングな登山道でした。何度でも歩きたい❗️僕はそう思うお気に入りの道です。今度はもう少し余裕を持って、温泉♨️もじっくり楽しみたな〜と思っています。

同行していただいた友人に深く感謝致します。

 

♨️おすすめ登山後温泉♨️

船橋立山天然温泉 夢ごこち 880円 定休日:毎週木曜日

立山駅周辺では有峰口にある白樺ハイツ、宇奈月温泉では駅近くにある湯めどころ宇奈月など便利な日帰り入浴できる施設がありますが、今回富山の友人に教えていただいた、夢ごこちという日帰り温泉施設を紹介します。北陸道立山インター近くにある大きな日帰り温泉施設です。食事処も充実しており、スーパー銭湯といった雰囲気でしょうか。しかしここの泉質に驚きました。泉質はアルカリ性の塩化物泉。色が特徴的で濃い茶色、透明度がありコーヒー色という感じ。濃厚なモール泉です。匂いもモール臭がはっきりわかります。源泉掛け流しという表記はなかったように記憶していますが(間違っていたらすいません)入浴した感触では、それに近いお湯の状態だと思います。色、匂い、はっきりと個性を感じて素晴らしい入浴感でした。富山や金沢ではこのような濃厚なモール泉は多いようですが、ここのお湯も素晴らしい個性を呈していました。浴室も綺麗で広く、設備は整っているので、しっかり身体を洗えて、登山後温泉にはピッタリです。食事処も充実していて、実際美味しかったです。登山口から近いというわけではないですが、インターに近く便利な場所で、おすすめかなと思います。

 登山日:2016年10月