KYOSUKE-YAMATABI〜山旅

日本の山を旅するブログ〜登山、温泉、車中泊

北アルプス山行記 雲上の秘湯を目指して〜白馬三山縦走、白馬鑓温泉(2)

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白馬三山縦走、雲上の秘湯を目指す山旅、2日目のスタートです。早朝、昨日はガスで見えなかった白馬岳の山頂が見えました。白馬岳は非対称山稜地形の典型的な山です。穏やかな傾斜の富山県側と、崩壊が激しく、急峻な崖となっている長野県側、これほどはっきりとしている山も珍しいですね。白馬岳の個性だと思います。

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目指す方角を見渡すと、眼下にはもうひとつ山小屋、白馬岳頂上宿舎が見えます。こちらにはテント場があります。そして遠くにはこれから縦走していく白馬三山の山々、杓子岳、鑓ヶ岳が見えます。目指す温泉は鑓ヶ岳の中腹。ここから5〜6時間の行程。本日の天候は徐々に悪化して行くという予想。雨☂️が降らないうちに白馬鑓温泉小屋に到着したい。

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(左)ヨツバシオガマ(右)ウルップソウ

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(左)コマクサ(右)ハクサンコザクラ

白馬岳から、杓子岳、鑓ヶ岳の縦走は登山道脇の高山植物も多く、天候が良ければ対岸の立山連峰剱岳の眺望も楽しめて、北アルプスの稜線歩きの醍醐味が味わえます。崩壊の激しい杓子岳、鑓ヶ岳の荒々しい山容⛰もいいアクセントになっています。アップダウンを繰り返しながら岩の稜線を歩いていきます。今回はやはり天候があまり良くなく、眺望には恵まれていないのが残念なところですね。😢

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鑓ケ岳を通過し、白馬鑓温泉への下降点となる分岐を目指します。前方には天狗平からその先、不帰キレットに通じる稜線が見渡せます。下降点までの稜線は白い砂礫の道となっており、所々にコマクサのピンクの花🌸を見ることができました。

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分岐から白馬鑓温泉に向けて一気に高度を下げていきます。白馬の山では長野県側の斜面は崩壊が進んでいて、岩場の急な登山道が多く、白馬鑓温泉への道も同様となっています。鎖場などが多く現れて、雨の降るような場面ではスリップ注意で、慎重に歩く必要があります。天気予報通り、ガスに包まれる天候となってきました。雨☂️もパラパラと落ちてくる状況。足元に注意しながら歩みを進めました。急で滑りやすい道を歩き続けること2時間あまり、正直、しんどくなってきた頃、突然小屋のようなものが姿を現しました。着いた😭白馬山荘を出発して6時間弱、そんなに時間はかかっていないけど、この下りで疲れが倍増してしまいました。

しかし、ここは憧れの雲上の秘湯♨️疲れと同時にテンションがMAX状態の自分がいました。

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白馬鑓温泉小屋。白馬山荘グループの山小屋。鑓ヶ岳の中腹、標高2100mに位置しています。想像以上にロケーションが凄くて、こんな急な斜面に建っているのか❗️と驚かされます。地形と豪雪地帯ということからも容易に想像できますが、冬季は雪崩の巣となるようで、この山小屋は期間外には解体されるようです。黒部峡谷下ノ廊下の阿曽原温泉♨️もそうだったな。営業は7月中旬から9月下旬まで。※2020はコロナウイルスの影響で営業中止。文字通り登山のできる期間以外は入浴は難しい秘湯となっています。

小雨の降る中、ようやく辿り着いた白馬鑓温泉。到着時間が早かったようで、僕が今日の一番乗りのようです。受付を早く済ませて「独泉」間違いなしだ❗️

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宿泊手続きを済ませて、部屋に荷物を置いて、いざ温泉へ♨️。予想通り、独泉でした😀早く小屋に着いたから実現できたご褒美。そして入浴。うっ、結構熱い❗️あ〜沁みるわ〜😆入れない温度ではなく、これは適温です❗️しばし至福の時間を味わいます。瞑想の時間です。最高、、、。っとふと我に帰り、湯を観察します。硫黄泉と言いますが、ほとんど透明。しかし湯の花が少量舞い、硫黄の香りもしっかりします。どこから湯が注がれているのか❓見渡して見てもすぐにわかる注ぎ口がない。どうして❓じっくり観察すると、小屋のある壁側から湯が湧き出しています。これはどういうことでしょう。源泉は小屋の裏の岩壁から湧いているとのこと。おそらく石垣の中に源泉を流しているのでしょう。壁からどんどん湧き出す源泉は多量であり、反対の浴槽淵からどんどん流れ去っています。まるで滝のよう。テント場方面に川のように流れています。かなりの湯量の掛け流しです。あっ、そうか❗️女性専用の内風呂は白濁しているようで、この混浴の露天風呂はあまりの湯量の多さに、白濁する前に流れ去っているのか❓これは凄い鮮度です。素晴らしい❗️小屋のホームページでは源泉温度43度、毎分760リットルの湧出。絶妙の温度、湧出量がこの素晴らしい温泉の状態を実現しているようです。まさに奇跡の温泉だと思いました。

この露天風呂、混浴となっていますが、テント場から丸見え、あまりにオープンな環境から女性はほぼ入浴できないのでは❓と思ってしまいます。実際そうかも。しかし前述しましたが、女性専用の内湯があります。入浴する場合、女性浴室で水着に着替えてくれば入浴可能かも。実際そういう人がいました。あと夜間8時から9時まで女性専用となるようです。

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あいにく天気は悪く、露天風呂からの景色は見ることができませんでした。が、それ以上に素晴らしい温泉との出会い♨️ここまで来てよかった。そう思える素晴らしい温泉♨️でした。一度やってみたかった、温泉でビール🍺最高です😆全身に染み渡るわ〜本当に素晴らしい日本を代表する秘湯でした。

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3日目、早朝最後の露天風呂を満喫して、帰路につきました。今日は朝から大雨☂️下山口の猿倉までは、途中、小日向のコルまでは、崩壊の進んだ歩きにくい登山道を歩きます。意外に手強い道なので注意して進みます。雨の中、黙々と歩きゴールの猿倉に到着。白馬の山中に湧く秘湯を目指す山旅は終了しました。天気にはあまり恵まれませんでしたが、アルプスの稜線歩き、秘湯温泉♨️と白馬の山の魅力を満喫した思い出に残る素晴らしい3日間でした。

 

♨️おすすめ登山後温泉♨️

八方温泉 八方の湯 800円 AM9:00〜PM22:00 

※木曜日は正午から営業

白馬周辺の山の登山後におすすめな温泉。八方バスターミナルの近くにあり便利。同じ源泉を利用した、おびなたの湯、みみずくの湯がありますが、立地が一番良く、何より新しく綺麗な施設です。おびなたの湯が源泉地にあり、お湯の良さは素晴らしいですが、露天風呂しかない施設のため、登山後の汗を流すには不向きかも。泉質はアルカリ性単純泉。p H 11の強アルカリ性でツルツル感が凄い。無色透明の実に綺麗な湯。源泉温度が高く、湯量も豊富。新鮮な湯が多量に掛け流しです。ほのかな硫黄臭もあり。登山後の温泉に最適です。

https://hakuba-happo-onsen.jp/

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(その他)白馬塩の道温泉 倉下の湯 600円 AM10:00〜PM21:00  無休

八方温泉と違い赤褐色の成分濃厚な湯。ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉。炭酸を含んだ塩化物泉で、鉄臭あり。成分の濃さを感じる入浴感が特徴です。こちらもバスターミナルからさほど離れていないので便利です。

https://www.kurashitanoyu.com/


 

登山日:2016年7月